昨今の消費者庁からの注意喚起の影響もあり、レーシックの手術件数は減少傾向にありますが、今でも年間数万件の手術が行われていて、眼科の中では最も多く行われる術式の一つです。症例選択を誤らなければ、長期的な観点からも安全性や有効性が高いので、最も確立された手技の一つと考えられます。眼鏡やコンタクトレンズから開放されることは、患者さんの日常生活を考える上でとても重要なことだと考えられます。しかしながら、これまで日本国内でのレーシック手術の実態は包括的に把握されていませんでした。そこで、学会主導による正確な実態把握を行うことを目的として、JSCRSワーキンググループでは、2013年1~12月に行ったレーシックなどの屈折矯正手術の手術件数やその安全性、有効性、予測性、安定性、合併症、満足度についてアンケート調査を行いました。
以上の結果は、国内学会に留まらず、アメリカ眼科学会、国際屈折矯正学会の機関誌「American Journal of Ophthalmology®」および「Journal of Reflective Surgery」に掲載されました。
レーシックは海外でも一般的に行なわれており、NASAやアメリカ空軍で、視力矯正手段として2007年から認められています*。
過去のメタアナリシス1**によれば、レーシックでは97%の患者が裸眼視力0.5以上、62%の患者が裸眼視力1.0を達成したことが分かっています。
また、レーシックに関する世界中からの学術報告を解析した研究の結果が、眼科専門領域で最も権威のある雑誌の一つOphthalmologyで2009年に報告されています1。
この研究は、1988~2008年に世界で発表された2915件の関連論文から、信頼性の高い研究309件を選択しておこなったシステマティック・レビュー(systematic review)2***です。その結果、全体的な満足度の調査では、平均で患者の95.4%(文献により範囲は87.2%-100%)がレーシックの結果に満足していたことがわかり、レーシックは他の手術と比較して、一般的に高い満足度をえることができる手術であるとの結論を報告しました。
注釈
文献
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